環境モニタリングデバイス(佐賀大学共同開発)について

弊社HP内で2023年8月に紹介しました、佐賀大学の三島先生との共同開発テーマ『環境観測の裾野拡大に資するIoTデバイス群構築とその評価』につきまして、開発初年度は「環境モニタリングデバイス」の製作をおこないました。(研究テーマの概要・目的については2023年8月の記事を参照ください)

以下、環境モニタリングデバイスについて簡単に説明をしますが、他の研究機関でも利用して頂くことを前提に「だれでも」「低価格に」「DIYで」製作できる装置作りを目指しています。ご興味があれば弊社へご連絡ください。

※ 本取組の内容については、佐賀大学大学院理工学研究科の三島研究室(代表:砥綿氏)から今秋開催の土木学会に寄稿しました。

1.観測対象(センサー)

環境情報をモニタリングする観測対象については、「水位」「温度」「湿度」「気圧」「風速」「pH」「濁度」「ひずみ」などがあげられます。これら環境情報を測定するセンサーに、簡易な回路構成で数多く対応するインターフェースにするために「水位」「温度」については専用回路を設け、それ以外は4-20mA、I2C、RS485などの汎用I/Fで接続できる構成としました。また、接点入力/出力を設けていますので他の装置とのトリガー入出力が出来る構成としています。

2.ロガー機能

測定したデータを保存するメモリを内蔵しロガー機能を加えました。1回の記憶容量を20Byte(センサー値2Byte x センサー6個=12Byte、日時情報8Byte)とし10分間隔で記録した場合、約1年間のデータを保存することができる容量としました。

3.通信機能

ロガー機能が有るので基本的に通信機能は不要ですが、計測データを随時確認したい用途の場合は通信機能が必要となります。随時確認が不要な場合でも測定が正しく行われているかを定期的に確認するうえで通信機能が有ったほうが安心です。通信機能を付ける際に考えなければならないのは、「通信費」「通信距離」「電力」です。開発した環境モニタリングデバイスはこれら通信条件に配慮し、長距離通信部(LTE:通信費有料)と短距離通信部(LoRa:通信費無料)を内蔵する「親機」と、短距離通信部のみ内蔵する「子機(あるいは孫機)」の2種類を準備しました。

完成した装置を使い、佐賀平野特有の「低平地」におけるクリークの水位変動の観測を開始しました。下図に設置図を示しますが、親機1台、子機2台、孫機4台の合計7台の観測装置を配置しつつクラウドへの通信(有料)は親機1台だけになるようにしています。通信SIMもIoT用途に絞れば100円台から利用できるので通信費に関しては殆ど負担がかかりません。

4.装置外観とブロック図

親機、子機の写真およびブロック図を参考として下記に示します。佐賀平野で観測したのはクリーク水位と気温です。観測対象(センサー)に応じたカスタマイズは可能です。

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